製造業・メーカーお客様事例
記念誌制作
社員様向け社史、ユニークな記念誌
創立55周年目の記念誌は、
代表者から社員へのラブレター
記念誌制作は、「時間と手間、コストがかかるもの」と思っている経営者様に、短期間で制作できて社員に喜ばれるユニークなコンテンツを紹介。社員を巻き込むことで、会社全体を1つにまとめるきっかけにもなったり、企業の方向性のベクトル合わせにも役立ちます。
- お客様:
東京電子工業株式会社
- お客様の業種:
セラミックス・ガラス・複合材の超精密加工
[ コム・ストーリーの仕事 ]
- 企 画:
コンセプト案、仕様、台割案、構成案
- 制 作:
原稿作成、コピーライティング、編集(原稿整理)、インタビュー取材、アート/撮影ディレクション、ポートレイト撮影、制作ディレクション、デザイン・印刷
- その他:
校正作業、入稿チェック進行管理など
本事例については、コム・ストーリーまでお問い合わせください(東京電子工業様への直接の連絡はお控えください)
なぜ、この会社で何のために働くのか?
歴史ある会社の、よくあるお悩みごと
「記念誌」「社史」は、文字どおり会社の歴史や文化を記録として後世に残すものです。とても大層に聞こえますが、大切なお客様や協業会社、銀行など社外への情報発信になるほか、社員全員とその家族など社内へのメッセージ・ツールという重要な役割を持ちます。ペーパーレスの昨今ですが、そういった「コミュニケーションツール」は、「紙の印刷物を手渡して見ていただく」ことが大切です。ただ、ボリュームがある豪華装丁本のイメージが強く、制作に手間と時間を要し、コストもかさむことで躊躇するお客様が多いものです。
中小規模の製造業・メーカー様であっても、スタッフ数が50人、100人、数百人と増えていくと、トップや管理者層、現場との意識差が生じて、社会に果たすミッションや、将来のビジョンなどが現場に伝わりにくくなります。
東京電子工業株式会社様は、創業55周年を迎えたセラミックス・ガラス・複合材の超精密加工メーカーです。差別化力は、「脆くて硬い難素材加工の超精密加工」を得意とすること。半導体や通信/IoT/医療/車載機器等の部材品加工実績を100,000件以上有します。
1/1,000mmというミクロン単位の切断や溝加工、櫛形状加工も可能で、国内外の大手メーカー様からの受託加工を日々行なっています。埼玉・北戸田と春日部に24時間稼働の2工場を保有し、多くの技術エンジニアやスタッフ様が、最先端の加工機でダイシングやスライシング加工などの技術を研鑽しながら、最高品質の加工品をエンドユーザー様へご提供し続けています。
東京電子工業様のオフィスと工場の様子。若手からベテランエンジニアまで、女性スタッフも多く、24時間体制で働いている
会社で働く、社員とその家族のため……
“社外に見せない”特別な記念誌を作る
社長交代というタイミングでもあり、コム・ストーリー側から「創立55年周年の記念誌」をご提案しました。現・社長様と会長様にヒアリングしたところ、次のようなご意見をいただきました。
- 過去から現在までの会社のことを、全社員や関係者に知ってもらいたい
- 社外に配布する意向はない
- 社内スタッフ全員が、気楽に楽しみながら読んでほしい
- 社長交代にあたり、これからを担う人たちの気持ちをひとつに束ね、方向性を合わせたい
通常、記念誌は社外への情報発信も前提として制作する場合が多いのですが、今回は社外配布は考えず、「社内オンリー向けに記念誌を作りたい」というご要望をいただきました。
そこで、コム・ストーリーでは、次の「3つの目的」をご提案し、記念誌のコンセプトとしました。
- 目的1:社員様、そのご家族(パートナー)をねぎらい、共に55周年を喜び合う
- 目的2:社員様を巻き込んだ「私の会社の記念誌」をめざし、会社への深い理解と共感につなげる
- 目的3:会社の変遷を共有し、「未来の東京電子工業」創造を我が事として考えていただく
また、記念誌に親しみを持っていただくために、タイトル案を提案しました。
カット&トライで55年! 私たちの挑戦モノガタリ(仮)
表紙案の3案。キャッチコピーが目立たせ、シンプルかつ親しみのあるイラストを使用。2案目(写真中)が採用された
「カット&トライ」というと、日本人には耳慣れないフレーズかもしれません。これは、「失敗しても調整・修正を重ねながら、成功するまで繰り返し挑むこと」という意味の慣用句で英語圏でよく使われています。日本では「トライ&エラー」がお馴染みですが、正式な英語表現ではなく和製英語です。
「カット&トライ」は、「試行錯誤」と同じ意味の表現であり、電気や機械の熟練エンジニアが使うもので、「細い電線などを切り詰め、微調整を繰り返しながら、機械や製品の性能をフルに引き出すこと」とも言われています。まさに東京電子工業様が、セラミックスやガラスなどの硬くて脆いものを切断・超精密加工する技術を通じ、時代時代における「お客様の課題を解決してきた歩み」そのものです。
併せて、各ページの構成内容をワード書類としてまとめ、デザイナーが制作した誌面デザインカンプを提出し、会長様、社長様ともに記念誌制作のご承認をいただきました。
代表より愛をこめて「仕事」と「社員」へのラブレター
という記念誌制作の「裏テーマ」も代表者様と共有し、世代を超えて55年にわたり会社を支えた社員様への感謝を伝えたいという気持ちを、記念誌に盛り込もうということで共有させていただきました。
愛する社員へ感謝とサプライズをこめて
社長自身が記念誌の“まとめ役”になった
記念誌や社史、社内報は、会社案内や製品カタログのように、「担当者と一部の社員で原稿作成して制作会社にトスして終わり」という訳にはいきません(当然、上長様や社長様チェックも必要になります)。
原稿が作れない、時間が取れない場合、制作会社や広告代理店に取材と原稿作成を依頼しますが「丸投げ」はできません。担当者様は、人選や取材日程の調整、原稿チェックなどの「段取り」や「面倒な作業」に手間と時間をとられます。取材や写真撮影、原稿依頼にしても、社内とはいえ協力的な人ばかりではなく、「調整につぐ調整になる」場合がほとんどです。
今回の記念誌制作は、同社の代表取締役(以下、社長様)がこの大役を引き受けてくださいました。決して制作を手伝う部下がいない訳ではなく、「社員へのサプライズ」のため記念誌自体を、「社内になるべく知らせず、秘密にしたかった」という理由があります。このような経営者様の「熱い想い」と「社員への気持ち」を受け止め、記念誌の企画がスタートしました。
記念誌の冊子仕様は、
サイズ:B5判 横開き(W257×H182mm)
ページ数と製本:カラー24ページ、中綴じ
斤量:110kg
用紙:サテン金藤(ダル系マットコート)
に決定しました。サテン金藤は、程よい厚みで指感触が滑らかでしっとり感を持ち、落ち着きと高級感がある、白ベースの誌面に映える紙です。コム・ストーリーの本社である株式会社日光印刷出版社は、神戸で65年続く印刷会社。紙の会社案内パンフレットや製品カタログ、社内報、ホワイトペーパーなども数多く手がけており、ご要望や予算に合わせた様々な印刷に関する提案が可能です。
社員、管理者、社員が一丸となって
全員参加による記念誌作りに取り組む
デザインカンプを元に、各ページに掲載したい内容をご説明して、現場社員様から原稿をいただくことになりました。
手書きもあれば、ワープロ書類もありましたが、誰もが仕事に前向きな姿勢を持ち、日々の業務についてどれも真摯で心温まる内容でした。仕事や同僚への想いの強さもあり、文字数をオーバーした原稿もあり、編集するにはもったいない内容ばかり。また誌面を彩るほとんどの写真は、社員様同士でスマホやデジカメで撮り合っていただいたものばかりです。表情やポージングなどまで、誌面の内容に合わせアレンジしていただき、たいへん助かりました。
こういった大量の原稿や写真を取りまとめ、誌面に落とし込む編集作業は、コム・ストーリーの得意とするところです。タイトルや小見出しの提案も含めて、誌面を読みやすく、内容をわかりやすくします。
会社沿革を紹介する「1. 東京電子工業のあゆみ」や、誰も知らないエピソードを紐解く「2. 社歴のウラ話アレコレ」は、同社が保有する紙焼き写真や当時の雑誌をお預かりして記事を作成。当時のことをよく知る会長様にインタビュー取材を行いました。2は、普通に紹介するとおもしろくないので、すごろくや人生ゲームのようなデザインにして、当時の思い出話や苦境だった時代背景、会社の転機になった出来事などを、会長様と社長様から約3時間を超すロングインタビューで誌面にまとめました。
インタビュー中の様子。右写真が東京電子工業の小沼取締役会長と小沼代表取締役
これだけの情報量の文章や、写真を短期間でまとめるのは難しいですが、展示会のパネルや企業サイト(ホームページ)制作から流用した分もあり、短期間で完成させることができました。原稿チェックや校正も含め、社長様との二人三脚による制作でしたが、不思議なことに苦労は感じられず、むしろ最後まで楽しく作業できました。これも、社長様や会長様、そして社員様の「パッション(情熱)」のおかげだと確信していいます。制作会社や広告代理店の力だけでは、「決して良いコンテンツ、伝わるツールを作れない」ということを改めて実感しました。
[お客様の声]
社内限定のはずが、社外配布バージョンも作成
「会社のホームページや展示会などでの販促ツールで、伝わりやすい内容のコンテンツを制作していただいたので、安心しておまかせできました。おもしろい記念誌のアイデアをいろいろ考えていただき、仕上がりのクオリティーも高いのでたいへん満足しました」
「当初、社内限定の配布物を前提としていましたが、社内で配布したところ、『すばらしい! もっと社外にアピールすべき』と高評価をいただきました。個人情報保護のため社員の実名をイニシャルにした外部配布用を増刷し、日頃からご愛顧いただいている、一部のお客様や銀行などにもご提供しました」
「55年目の節目を迎えて、次の100周年をめざすためにも、社員とそのご家族を含め、東京電子工業に関係する『みんなの心』をひとつの方向へ向かわせたかった。この記念誌を作って本当に良かったと実感しています」