お知らせ

ホームページ&カタログ制作の基本4:物語と流れを意識

コンテンツのわかりやすさを醸し出す
ストーリーと流れの“型とは何か?

皆様、ごきげんよう、東京都内・港区三田にある製造業・メーカー様に特化した、販促企画に強い広告代理店コム・ストーリーです。新型コロナウイルスが5類になり、春の展示会が異常なほど活況を見せ、ブース制作会社では案件数が爆増して深刻な人手不足だそうです。夏から秋にかけて出展を予定している製造業・メーカー様は、余裕を持った準備をお勧めします。

先日、あるパートナーのお客様である取引先の会社案内を見せていただきました。同氏によると「長年のお付き合いがあるけど、会社案内を読んでも、何度説明を聞いても何の会社だか分からない」とのこと。

確かにビジネス分野によっては、高度で難解な技術や製品こそありますが、会社案内や資料のほとんどは日本語で書かれています。当然、わからないはずはないのですが、そのパートナーからよくよく話を聞いて、会社案内に一通り目をとおすと、情報の出し方や伝え方、説明手順、構成に問題があることがわかりました。

ホームページやLP(ランディングページ)、製品カタログ、会社案内を問わず、メーカー・製造業向けのコンテンツには、「1. ストーリー性」「2. 流れ」が大切。この2つの要素を意識することで、コンテンツの構成が明確になり、分かりやすくなります。

「起承転結(きしょうてんけつ)」という言葉を聞いたことがあると思いますが、文章や会話を「起・承・転・結」の4つの部品に分けることで、相手にわかりやすく伝える手法です。小説や漫画、ドラマなどの物語の創作ルールとして知られており、ビジネス文書作成や、プレゼンテーションなどのセオリーとしてもよく引き合いに出されます。

プレゼンや営業のセールストークでは時間の制約もあるため、起承転結のセオリーを遵守すると、相手をイライラさせ、あえなく失敗する可能性もあります。ビジネス文書作成においても、起承転結が「はまる」「はまらない」ケースがあり、「起承転結はビジネスでは使えない」とも言われています。

ただし、説明の手順と流れを「型(かた)」にすることで、コンテンツの読み手に自然な理解を促すことができます。
文章は「ブロック(段落や説明パート)」で構成され、ブロックの集合体が1つのコンテンツ(物語)となります。

ホームページやLP、会社案内などの
ドラフト作りにアウトライン機能を活用

ホームページやLP、会社案内、製品カタログを構想する際、ドラフトづくりにアウトライン機能は最適です。ホームページやカタログ制作は、制作会社や広告代理店との協力作業になりますが、打ち合わせの初期段階からドラフトがあると、より明確に業者へコンテンツの方向性や中身、目的などを共有できます。ドラフトを元にブレストで構想を深めつつ、本原稿へと内容をブラッシュアップできます。このようにお客様の意思表示や、コンテンツの方向性でもあるドラフトがあれば、制作の初・中期段階でのやり直しやリスケのロスを減らし、余計なコストを圧縮できます。

日本語ワープロソフト『Microsoft Word(以下ワード)』であれば、ソフト起動後に「表示」メニューにある「アウトライン」を選ぶと、アウトライン入力モードになります。
ワードのアウトライン機能は、ひと昔前は「アウトラインプロセッサ」「アイデアプロセッサ」と呼ばれ、国内でも単体ソフトとして販売されていました。「文章を書く」ためのワープロソフトとは違い、頭の中のモヤモヤとした構想を整理しつつ、長文を生成させるものでした。「文章は骨子(アウトライン)から考える」という北米型の考え方が、日本の国語教育による作文法と合わなかったせいか販売本数が伸びず、いつしか市場から消えてしまいました。

1. 伝えたいことを「骨子(親)」として書き出す
目次にもなる骨子は4、5つくらいに絞り込むことがベスト。コンテンツのボリュームにもよりますが、あまり細分化すると話の流れが不明瞭になり、煩雑で不明瞭な内容なりがちです。
まずは複雑に考えず、箇条書きでビシバシと書き出しましょう。

目次となる親の部分(青文字)を書き出す。コンテンツの情報として必要な項目をもれなく書き出すこと

2. 書きたい目次の下の階層(子)に必要な情報を書き出す
「会社案内」なら「会社情報」「沿革・代表者メッセージ」を、「製品カタログ」なら「製品スペック」「価格表」など掲載すべき情報を書き出しておきます。
コンテンツ巻末には「お問い合わせ先」の情報(社名、TEL、電子メール、URL、QRコード)が必要不可欠です。小柱は、もれなくすべて書き出すことが大切です。

子の情報(黒文字)を表示させたところ。本文の原稿にあたる。最初から上手に書こうとせずにメモ代わりに入力していく

3. アウトライン機能を使い、コンテンツ全体に「流れ」を作り出す
柱は、見出し頭の「−」マークをドラッグ&ドロップで自由に順序や優先順位(親子関係)を変更可能です。子の文章は表示・非表示が可能なので、コンテンツの全体を見ながら、構成の「流れ」が推敲できます。文章には「流れやリズムある」と言われますが、構成も同様です。

アウトライン機能を使わず、ワープロソフトやエディターで「●」「◆」マークや、書体や書式(サイズやボールドなど)で「親ブロック」「子ブロック」を分けてもOKです。

読ませたい、理解させたい人を
意識しながら文章を推敲していく

コンテンツの構想時は「誰に読ませたい、聞かせたいのか?」を明確化し、その相手・人物像を想定して文章や話を作り出すことです。エンドユーザーとなる製造業・メーカーには理工系の知識を持つエンジニアだけでなく、購買や総務、営業部などで働く人もいますし、ベテラン社員から新入社員、経営者まで様々な職種・キャリアの人たちがいます。
「技術がわかるお客だけが読めばいい!」とか「会社の良さがわかる人だけでいい」ではなく、「日本語が理解できる人なら誰でも読める」コンテンツにすべきです。

ただし、馬鹿丁寧で冗長な説明は不要ですが、想定する読み手へできるだけ寄り添い、不親切さをなくすことが先決。これが伝わるコンテンツづくりの一歩です(続く)

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