製造業 展示会パネル制作事例:基礎小間ブースで集客UPを秘訣
基礎小間では成果が出ない!? はホントか?
キレイなブースより中身のある展示を !!
主催者側が提供する「基礎小間ブース」は、展示会の初出展者にとってコストを最小限に抑えられるため、何かと便利なものです。ただし、基礎小間ブースは、土地と電機設備の基本出展料に加えて、システムユニットの壁、テーブル、サインボード(看板)、簡易照明、カタログラックなどのレンタル品を1セット化※したものです。
※ レンタル品のセット内容は、主催者側で異なります
主催者側への支払いで必要なのは「土地使用料」と「電気設備使用料」の2つで、出展者は展示会ブース業者にブース建屋や装飾全般(パネル制作を含む)を外部委託できます。
とある展示会の「基礎小間ブースセット(1コマタイプ)」。オールインワンで便利だが、装飾やパネル制作費は
含まれず、足りない分はオプション品を追加レンタルする。あくまで“基本セット”ということを知っておきたい
製造業メーカーの出展では、「展示パネル」の重要性が高く、その良し悪しで展示会の成功、失敗が決まると言って過言ではありません。展示会ブース業者にもパネル制作は依頼できますが、あくまで「パネル加工(作業)」だけであって「コンテンツの中身(企画)」まで作ってもらえないので、自分でパネルの内容を考えるか、コンテンツが作れる制作会社に別途依頼する必要があります。
時々「基礎小間では成果が出ない」「システムパネル(のブース)はカッコ悪い」という話をよく耳にしますが、本当にそうでしょうか? そもそも、展示会の目的は、1件でも多く「新しいお客様に出会い、受注に繋げる」ことです。たくさん名刺が集まったからといって、併設された展示会から流れた、自社ビジネスに関係ない“冷やかし来訪者”ばかりでは意味がありません。
「受注直結の問合わせを増やす展示パネル」とは、「製品サービスの強みや特長が伝わる」ことが大前提です。この作業がお客様自身だけでは、客観的な視点で自社のことを説明することが難しく、デザイン会社やブース業者に依頼しても、うまく表現することが難しいのが実情です。
なぜなら、業者はデザインやブース設営作業のプロであっても、コンテンツ制作のプロではないためです。おそらく本校をお読みの展示会経験者の方々も、製品カタログや会社案内パンフレットなどの資料を業者に渡して「あとはヨロシク!」では、決してうまくいかないことをご周知のことだと思います。
効果を出す展示会を目指すには
ステップUPで中身の充実を図ること
通常、展示パネルの大きさは、
・B1サイズ(縦1,030×横728mm)
・A1サイズ(縦841×横594mm)
といった定型サイズが一般的です。
一般的な基礎小間ブースは、システムパネルの壁と看板用化粧板で構成され、通常1小間ブースは、写真のように2面開放は少なく、前面のみがほとんど
半導体デバイスメーカー様の展示会パネル。ソリューション全体像を示すタペストリーと、3枚のB1パネルを組みパネル化。
タペストリーは奥に配置するため、来場者に響くキーワードを散りばめ、1小間という距離感で来場者への「試作の呼びかけ」用パネルも制作した
ブース壁の枚数と、定型パネルの限られた面積に入れ込む要素(テキスト、図、写真、表、グラフなど)をうまく1枚にまとめなければなりません。「どういった展示方法で何を訴求させ、1枚のパネルに落とし込むか?」は、なかなか難しい作業です。さらに、出展予算やスタッフの作業内容を含めて担当者が、打ち合わせに積極的に参加して、全体を見渡したディレクションや予算、スケジュール管理を含めてリーダーシップを発揮しなければ、出展での成功はおろか前段階の準備すらおぼつきません。
おそらく、こういった理由で「1、2コマの基礎小間では成果が出ない」という通説になっているのが実情です。展示会の担当者(=責任者)自身が、展示会で絶対に成功を出すという意気込みや覚悟を持つことこそが“はじめの一歩”であり、信頼に足る外部委託会社の協力を得ることが基礎小間出展デビューで最大の成果を得る秘訣です。
初回は、きれいで凝ったデザインのブースでなくてもOKです。
[1. 展示パネルのブラッシュアップと充実]
[2. 集客用ツールや配布資料の強化]
[3. ブースサイズの拡大、木工化でブースの見栄えをUP]
という段階を踏んでステップUPすることで、着実に成果につながっていきます。そうすれば、会社が展示会の重要性を感じて、予算も徐々に増えていくはずです。そういった好循環を社内で生み出すのも、担当者の意思と決意次第なのです。
展示会は「社長や上長(の見栄)」のためでも、催事的に“事なかれ”でやるものでもありません。新しいお客様との接点を持つきっかけとなるのが最大の目的です。現場主体で作り上げることこそが「成功の第一歩」といえます。
お金さえかければ、ブースの見栄えはいくらでもきれい、豪華にできますが、展示パネルとブースデザインが、企画としてきちんと練られたものこそが、製造業メーカーにとって本当に価値があるものなのです(了)。
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