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コムコラム6:お江戸 両国国技館、トーキョーギタージャンボリー2024で魅せたトータス松本の“横綱相撲”



東京・港区三田の製造業メーカー専門の広告代理店[コム・ストーリー]のプランナーGです! 

先日、両国国技館で開催された音楽花見「J-WAVEトーキョーギタージャンボリー2024 supported by 奥村組」に行ってきました。アコースティックギター1本の“ガチンコ演奏”フェスで、一人あたり持ち時間約20分で10組のアーティストが、人力で回転する土俵上で熱演。私自身、両国国技館もフェスも初物づくしでしたが、あっという間の約8時間でした。

推しの竹原ピストルのドスの効いた濁声も十二分に堪能できましたが、圧倒されたのがトータス松本のライブパフォーマンスでした。キャンディーズのカバー曲『春一番』から始まり、人気バラエティー番組主題歌『笑えれば』や、ヒット曲『サムライソウル』などに続く6曲目、ハーモニカホルダーを肩がけしたので「次はバラード?」と思っていたのですが、3曲目あたり会場一部から

「ガッツ、ガッツやってー!!」

の“やってやってコール”が……。お花見フェスなので食べ物や飲み物(もちろん酒も!)を自席で飲み食いでき、後半になると観客の酔いも深くなり、声援ともヤジともいえない掛け声が、会場内から何度となく聞こえてきました。

フェスの性格上「自分の熱烈なファン(ヘビーユーザー=既存顧客、リピーター)」だけではなく、私のようなジャンボリー初回の人やリピーター(ライトユーザー=新規顧客)といったいろいろな音楽ファンが来場しているため、「そんな事情を加味し、(トータス松本が)用意してきたセットリストなのに……」と彼の大きな背中を眺めながていました。音楽雑誌やアーティスト本などの記事によると、本番中の会場リクエストはアーティストにとってやりにくく、場の空気が変になったり、時折ライブが中断することもあるといいます。

すると、しばし沈黙と逡巡した後、「やっぱ、やめたっ !!」と。「俺も絶頂期のトンガってた時にはさあ〜」と笑いながらハーモニカホルダーを外し、「ほらガッツ、ガッツの人でしょう? と(街中で)声かけられたら、“イヤ、違います、絶対に人違いです”」と応じていたというMCで“わがままコール”をいなしつつ、「俺も歳をとったからねぇ」とほくそ笑み、あの大ヒット出世曲『ガッツだぜ!!』を全力で唄ってくれました。

当然「ゴメン、今日は歌わないよ」という選択肢もあったと思いますが、ライトユーザーのわがままを寛容かつ柔軟に受け入れてくれた……。その後、ラストナンバーの『バンザイ~好きでよかった~』までほとんどの観客が大合唱となり、音楽花見にふさわしい初日ダントツの盛り上がりを極めました。



初日の様子。国技館ロビーは桜が満開(造花ですがw、写真中)。天井高35mの会場内の土俵でアコギ1本のアーティストが歌と演奏でがっぷり四つ相撲(右)

戦略ごっこ〜マーケティング以前の問題』という挑発的なタイトルのビジネス本を読みました。

芹澤 連 著、日経BP刊、2,640円(税込)

⬜︎ 上位20%の「ヘビーユーザー(既存顧客)が売上の80%をもたらす(パレードの法則)
⬜︎ 「ライトユーザー(新規顧客)は、ヘビーユーザー維持の数倍のコストがかかるため、リテンション(=既存顧客維持)中心に考えるほうが理にかなっている
⬜︎ ヘビーユーザーのロイヤリティを高め、リピートにつなげていくことが大切


これらはマーケティング理論は“定説”であり、マーケ本やビジネス書での前提です。

「ベストセラー本に書いてあるし、有名コンサル先生が言ってた」
「自分の経験や職業的“勘(かん)”に照らし合わせても異論なし!」


何の疑問もなく企業や営業部の戦略に取り入れ、事業計画書や営業施策、企画書に落とし込む経営者や役員、マーケッターも多いと思います。本書は「その“前提”が間違っていたとしたら?」と問題定義し、それらを何の疑問を持たず妄信してマーケティングに落とし込む危うさを指摘。いわば、企業で力を持つ人たちの「知ってるつもり」が事業の成長を妨げ、時にはビジネスを衰退させる原因になることを警鐘しています。

さらに専門知識や経験バイアスの弊害についても論述。会社の事業戦略を決定するトップ層(経営者や役員)らの「自分には専門知識がある」という自覚が強まれば強まるほど主張が独断・独善的になる傾向があり、それに加えて周囲の取り巻き(部下)も、

「でも、言うだけの実績もあるのだから……」
「あの人の営業の“勘(かん)”は間違いないから。だって数字が証明しているし」


と付和雷同に信じて完全思考停止になります。こういった

声だけ大きいKKD(勘と経験と度胸)の人

が決める根拠のない「戦略ごっこ」がはびこり、事業や企業を静かに蝕んでいくと強調しています。
「ヤバっ、うちの役員や会社のことだ」と背筋がゾーッとする人も多いはず。そんな「組織あるある」や、軽妙でシニカルな論述も本書の痛快なところでもあります。

「第1章 新規獲得と離反防止のエビデンス」は、展示会でマーケティングを行う製造業メーカーの方々にも必見です。
「新規獲得と、既存顧客の離反防止。どっちが大事?」という問いに対しても、この問いの設定自体、事業成長の本質を正しく理解していないと喝破。「新規 vs. 既存」の対立構造の背景から始まり、なぜ新規獲得にウエイトをおくべきか、そしてどんな視点でビジネスの拡大を狙うべきかを丁寧に論節していく。その詳細は本書に譲るが、ファクトやエビデンスを無視して既存に見切りをつけ、「新規だ! 新規をねらえ !!」という上司があなた隣にいないだろうか?

その一方「新規は営業効率が悪い!」と断じ、会社が継承してきた優良顧客資産に“おんぶだっこ”で依存するばかりで、新規顧客獲得やチャネル拡大のための営業をやらない、やれない、やろうとしない……。新規は既存の数倍のコストと労力、時間を要するので「ROI(投資利益率)」的に効果が薄いことにも起因こそあるが、本書では「新規、既存どっち?」が大事ではなく、「両方、別々に」対応(使い分けや組み合わせ)する必要があると述べます。

著者は、本書の全編を通して

現実(データ)と理屈が異なるとき、
間違っているのは理屈のほう

だと述べて、KKDの人たちにありがちな思い込みや思い付きではなく、ファクト(事実、データ)とエビデンス(証拠や根拠)で自社のマーケティングを捉えることが大切と説きます。

前述のギタージャンボリーで「フェスは展示会に似ている!」と感じました。少々、強引な“こじつけ”ですが、日頃「聴かない、買わない、様々な世代のアーティスト」らの歌や生演奏を楽しめ、それがきっかけでファンになる。トータス松本による偶発的なセットリスト変更がきっかけで、私自身も大ファンになりました。

これぞ、ライトユーザーがヘビーユーザーへ移行する瞬間であり、アーティストや企業にとって絶好のチャンスです。

彼自身がAdoやYOASOBI全盛の音楽シーンでの“立ち位置”を鑑みて、セットリストを変更したとは思いませんが、観客のわがままに応えた度量のひろさとやさしさ、do the ド根性! に惚れました。突発的な出来事やトラブル発生時の臨機応変かつ冷静で柔軟な対応は、ライブパフォーマンスも経営も同じこと。週末は、ウルフルズのCDアルバム(サブスク、ベスト盤ではなく!!)をタワレコで買いにいこうと思います。

音楽花見「J-WAVEトーキョーギタージャンボリー2024 supported by 奥村組」は、FMラジオのJ-WAVEで2024年3月19日(火)夜に、テレビではBS朝日で3月20日(水)夕方と3月23日(土)夜にオンエアされます。
ご興味のある方は、ぜひご視聴ください! Stay tune,Don’t miss it. クリス・ペプラーでした〜(了)


※ 本文中のアーティスト名や人名は、すべて敬称略とさせていただきました(尊敬してますし、皆様の歌、演奏を心から愛してまーす!)
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