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ホームページ&カタログ制作の基本7:レスポンシブ・デザインで変わるサイトマップ(その2)

スマホ&タブレット時代の
サイトマップの考え方、作り方

ホームページ&カタログ製作の基本6は、製造業メーカーの企業サイトや製品紹介サイト制作で大切な「サイトマップとは何か?」と、その役割についてお話しました。
前回の内容を要約すると、サイトマップは

・ サイトの全体像を把握する「設計図」である
・ お客様と制作会社間でサイト制作の内容に関する情報共有や、意思疎通を図るもの
・ 制作中に改訂を重ねながら、ブラッシュアップするもの
・「右から左」「上から下」順のツリー構造(樹形図)で表わす
・ 予算管理や、社内への情報共有、原稿依頼、校正作業などにも有益


という役割や、特長を持つことを説明しました。
最近は、企業サイトや製品紹介サイトなどのWebデザインにおいて「レスポンシブ・デザイン」が当たり前となっています。「PC閲覧」に加えて、「スマホやタブレット閲覧」を意識したコンテンツ作りが不可欠。ただし、レスポンシブ・デザインを過度に優先させると、製品仕様書や施工説明書(PDFやHTMLファイル)などの資料データが閲覧しずらくなり、逆にサイトの使い勝手自体が悪くなったりします。

レスポンシブ対応は、Googleやyahoo!の検索ランク評価にも影響するので、前提にすべき優先事項ですが、B to B(以下B2B)ビジネスでの主流は、PC閲覧が多いのが実情です。特に受発注先を探す用途では、まだまだPCが主流といえます。対して、製品仕様書や施工説明書、パーツリストなどを現場で閲覧する用途では、スマホやタブレットが多くなりつつあります。

中小企業のB2B向け製造業 企業サイトを例に挙げると、構成ページ(コンテンツ)は、

1. 販促やマーケティング情報
内容:主力製品やソリューション、基幹技術の紹介、ユーザー導入事例

2. サポート情報
内容:製品仕様書、トリセツ、設置・施工説明書など資料ダウンロード、FAQ、お問い合わせ

3. リクルート情報
内容:新卒・中途採用条件、エントリーシートなど

4. 企業情報
内容:基本情報、沿革、アクセス情報

5. お問合わせ情報
内容:フォーム(CMSなど)、TEL、FAXほか

上記5つのページが柱となります。サイトマップを考案する際は、これらページを起点とし、TOPを含めて枝葉となる階層ページを含む「サイト全体像」を考えます。
製品アイテム数が多く、技術サービスをたくさん紹介したい場合、比例してページ数も増えがちですが、なるべくページ数(=階層化)を絞り込み、シンプルな構成を心がけます。

良いホームページはシンプルでわかりやすい
サイトの質を左右する情報整理の大切さ

前述のようにレスポンシブ対応が前提の現在、サイトマップもそれを意識した内容にする必要があります。高速通信と高性能なスマホやタブレットの普及でドラッグやスワイプ操作によるスクロールすることが容易になり、縦長ページが多くなりました。

レスポンシブ・デザインの制作事例(右、今年夏にオープン)。左のレスポンシブ非対応サイト(約8年前に制作、現在リニューアル作業中)と比べると、
スクロールを前提とした縦長であることが明らかだ。ページ閲覧するデバイスの画面サイズに合わせ、可変表示ができる

レスポンシブ・デザインでは、ページを分散させず、コンテンツを1ページ内に集約することが大切です。そのため各ページに盛り込む情報を絞り込む必然性があります。
当社が新規・既存お客様のサイトリニューアル時に感じることは「いらないページが多く、構造が複雑化していること」です。
中小企業のホームページは、5、6年くらいはリニューアルせずに使い続けることがザラ。その間、コンテンツの追加や改修を行うため、ページの分散やデータの肥大化が徐々に進み、リンク構造も複雑化して、お客様自体もサイトの全体像をしっかりと把握できていない場合がほとんどです。

サイトリニューアルを良い機会として、サイトマップ作成時に「情報やページの断捨離(情報整理)」を行うべきです。じつは、この「情報整理」こそサイトリニューアル成功の鍵であり、もっともたいへんで難しい作業です。良いホームページは情報が集約化されており、前述した各ページの役割が明確に伝わってきます。

1. プランニング視点

2. マーケティング視点


ーーの2つがサイト制作に求められます。通常、一般的なサイト制作会社では、ホームページ制作の知識ノウハウこそありますが、お客様の業種や業態、製品サービス、市場動向といった内容まで把握してくれません。そうなると、お客様自身で情報整理を行いますが、自社製品ありきの視点になりがちで、エンドユーザー側が求める情報との乖離が生じがちです。
現状サイトを隅々まで目を通して、簡易サイトマップを作成して、サイト全体がどういったコンテンツで構成されているかを把握すべきです。

次に、この内容を元に新サイトのサイトマップを作り上げることがベター。ほとんどのサイト制作会社は、現サイト分析や情報整理まで対応してくれませんので、お客様側で行うことになることを周知すべきです(コム・ストーリーでは、企画費にかならず情報整理が含まれる)。たとえサイト制作会社側に委託できても、お客様が主体となり、サイトマップでサイト全体に目配りして、各ページの構成内容をきちんと理解しておくべきです。
下手にサイト制作を“丸投げ委託”すると、後々にトラブルや事故が発生しがちです。お客様自身がサイトマップ制作過程で積極的に関わり、その内容と意味を理解しておくことが重要です(了)

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